
ある冬の夜、孤児(みなしご)の少年がレンガ造りの橋の下で死んだ
それを聞いた東国の吟遊詩人は悲しみを込めてこう詠った
それはそれはなんとも不憫で可哀想な少年がいたことよ…
そして西国の律法学者は少年の死を聞き、口元を歪めてこう言った
それはそれは哀れな少年、自分の運命すら変えられぬとはな…
〜あとがき〜
記念すべき(?)第一作目。…まぁ、こんなもんか。
そういえば、句点をつけないのは最初からなのか。
最近これがかなりの足かせになってる気もしないでもない。
…いっそのこと、やめにするか。句点無し縛り。
とか言って、次書いたらやっぱり句点無いんだろうなぁ…。
シプロンという城下町に住む博士が歴史に名を刻んだ
彼は悪魔と恐れられた流行り病の特効薬精製に成功したからである
そうして彼は数多くの人に惜しまれながら天寿を全うした
しかし彼はその後まもなく、またも歴史の表舞台に舞い戻ってきた
彼の自宅で流行り病の悪魔が大量に培養されていたのだ
国境横断列車内で殺人事件が起こった
列車は最寄の駅で緊急停車し、乗客全員の荷物が検められた
しかし消えた凶器の刃物は発見できず、捜査は行き詰った
そこに私立探偵と名乗る男が、ナイフは窓から捨てられたのではと言った
はたしてその男は、線路を見やる警察を尻目に駅のゴミ箱へ凶器を捨てた
鳩は決して平和の象徴ではない
彼らは日々、同族間で餌の争奪を繰り広げているのだ
自室で流行の歌を聴いていたら隣人から苦情がきた
するとさらにそのひとつ隣の住人が苦情の声がうるさいと苦情を出した
この苦情の輪が次第に広がり、いつしかそれは全国に拡大した
するといつもは重い腰の政府が珍しく、早期に会見の場を設けて総理がこう言った
一定以上の騒音を出した者を課税対象とする、騒音税を新設する予定である、と
愛深まって憎しみに変わる
しかし憎い相手を好きになることは得てして少ない
人間とはそういう生き物なのである
神がはじめに創られたものは何かと問うた
それは天地であると聖書を開き、司祭は答えた
では神が最後に創られたものは何かと問うた
それは人間であると先の司祭は答えたが横の修道士がこう言った
いいえ、神が最後にお創りになられたのは日曜日です、と
〜あとがき〜
まぁ、その神も日曜日も創ったのは我々人類なんですけどね。
昼間の喧騒を忘れさせる静寂の中、紅い月が雲に隠れた
と同時に雑居ビルの陰から布を破る音と甲高い悲鳴が響いた
その音は四方八方へ駆け出し、住宅街にも潜り込んだ
到着した音に促され、マンションの電気が数棟点いて、そして消えた
暗闇はこの夜も犯罪に手を貸して白い朝霧の中に逃げ去っていった
一般的にマジシャンは嘘が下手な人種である
なぜなら、タネのないマジックはありえないからである
はたしてヒトとは何であろうか?
町外れに住んでいる一人の学者はある日そう思った
彼はその問に答えを出すべく、部屋に籠って考えに考えた
至った結論は炎であった、しかしそれは彼の死後に捻出されたものであった
彼の命は燻ぶった暖炉から出た一酸化炭素で炎もろとも消えていたのだ
鏡と鏡を合わせると悪魔が現れる
そうか、だからアイツはもう2ヶ月もミラーハウスから出てこないんだ
もしや、君は忘れていないだろうか
予定表の最初に、予定を立てる時間を予定することを
もしや、君は忘れていないだろうか
予定を立てて、1日は計画倒れで何もしないことを
今なら遅くない、予定が崩れる前にその予定を立てよ
こんなこと、他に行っても絶対に教えてはくれないよ
このセリフを聞いたのはここで何ヶ所目だろうか
〜あとがき〜
じゃあ何でそんなことを俺だけに教えようとするのだろう。
少し前の話になるが、ヨルダンに旅行に行ったときのこと
あるレストランでコック帽の店主とターバンの男性客が口論をしていた
料理にほとんど手がつけられておらず、これは相当不味かったのかと一口頂く
これがすこぶる美味いではないか
料理が美味くて喧嘩とはこれいかにと仲裁に入ろうとして合点がいった
厨房に「味の素」とかかれた小瓶があったのだ
〜あとがき〜
昔あった某事件をもじってみました。神様も味の素ぐらい許してやれよ…。
…ていうか、このネタ今でも通じるかねぇ?
無いものほど、手に入らないものほどそれへの欲求度は高くなるらしい
下の者は今日のための金を欲し
中の者は明日のための位を欲し
上の者は未来永劫の命を欲する
モノ不足の時代は終わらない
〜あとがき〜
ちなみに「全部ほしい」という人は階級関係無しの欲張りさんです。
ある女測量士が、この国をくまなく測って地図におこして見せようと言った
そして彼女は荷造りをし、意気揚々と生まれ故郷を後にした
彼女は国土を測量し帰郷したが、一箇所だけ計算の合わない地区があった
そこで彼女は実際よりも海岸線を10メートル陸地側に引いて辻褄を合わせた
その半年後、その地区で大規模な地揺れが起こり、その地図どおりの地形となった
このことを恐れた王と教皇は彼女を魔女であるとし、火あぶりの刑に処した
登校中にぶつかった、隣の席の転校生
お互いシャイでろくに話もできなかったあのころ
それも懐かしい思い出だなと暖炉の前で寄り添う俺達
君のおなか、おっきくなったねと微笑むそんなクリスマスの夜
けれどももう朝だぞ、夢オチだと気づけ、寝返り打つオレ…
〜あとがき〜
2次元ではないかという説もありますが、それはただの末期症状です。
天明九年、黎軍其の数五万余、廉江の流域陽成に布陣す
廉江を挟み相対するは東の小国、扶の勢僅かに七千
是既に勝負有りと、黎の将軍三万の兵を割き防備にあたらせ、宴を開く
将軍、近隣より踊り子器楽弾きを集む、然しその内に扶の兵士荘文なる者紛る
荘、踊り子に雑じり将に近づき、小刀にて其の喉を掻き切り敵将を討つ
然しその兵殺されず、悪将討ちし英雄とて黎兵荘を迎うる
〜あとがき〜
もしかしたら、文法間違ってるかも。誰か、校正してくださると助かるのですが。
ちなみにこの話は大幅に手直しを加えました。…これで少しはマシになったかしら。
彼の手にしている銀の盃に紅のワインが注がれた
途端に彼はそのワイングラスを投げ捨てた
毒物を示す、銀の変色が見られたからだ
彼は立ち上がろうとしたが、それは無理だった
毒は肴のほうにも仕込まれていたのだ
〜あとがき〜
実際に中世、貴族の間では毒物混入の有無を確認するためもあって、盛んに銀食器が作られた。
また大きな盃は酒の飲んでいる間、前が見えなくなり暗殺者に隙を見せてしまうということで、底が透明のガラスでできた特注品を競って作らせた。
タイローンという港町で暗躍する暗殺者がいた
彼は自を全て捨て、必ず職を全うする者として有名だった
彼はある日、パブで新たな依頼を請けた
獲物は同業者のギルという人物なのだが、いくら探しても見つからない
そして考えに考えた末、彼は依頼から6日目の夜に自分の胸を暗器で一突きして果てた
ギルは、かつて自らが捨てた名であった
ねぇ、おとうさんはどこにいったの?
少女は星の瞬く寒空の下で母にそう聞いた
奈津子…、お父さんはね、お星様になったのよ
じゃあ、あれがおとうさん? 少女はひとつの星を指さした
ちがうわ、…そうね、奈津子の誕生日にお空を見上げてごらん
幾年も経った夏の夜、空を見上げた女性を蠍座の首星がそっと見守っていた
これで本当に戦争は終わるのか?
はい、もちろんです、大統領
この世の平和はあなたにかかっているのですよ、大統領
そ、そうか…
そして爆轟と共にひとつの町が消え去った
都会の湾岸…、そこでの私の記憶は一瞬だった
でもね、その刹那に見て、感じ取った情報はとても多かったわ
それで…、これだけは確かなの、これだけは言わせて
私の両足を縛っていた縄の先にダンベルをつけたのは、
そこで今も無機質に口元を歪めている、私の最愛の彼だったの
親の心、子知らず
でも、子の心は、親知らず
…なんだ、お互い様じゃないか
眼前のボウルには塩水が張ってあった
その小さな海のなかでプカリと浮かぶものあり
りんごだ、と少年の心がささやいた
少年は何のためらいも無くそれを口に運んだ
しかしそれは灰汁抜きを控えたジャガイモであった
〜あとがき〜
実話。体験に基づくレベルでなく、これこのまんま。
…加熱前のデンプンって、すごくまずいのね。