
死の間際、彼女は僕の手を握って言った
「私の分まで長生きするんだよ」
無理だよ、君無しの人生なんて考えられない
「大丈夫だよ、それとも私の言うことが信用できない?」
そんなこと…、そんなこと言うなんて…ずるいよ
「…そうだね、今のはちょっぴり卑怯だったかも」
咳き込む彼女、背中をなでる僕の右手に背骨のはっきりとした感触
僕の何倍も苦しくてつらいはずなのに、病床の彼女は最後まで笑いかけてくれた
「私のことは早く忘れて、素敵な彼女見つけるんだよ」
「指輪返すね、たしか金属類は棺桶に持ち込めないはずだから」
「…ばいばい、私の分まで次の彼女を幸せにしてあげてね」
3日後、彼女はわずかばかりの骨と灰を残して天に還っていった
冗談じゃない…
どうして彼女が…
どうして彼女が死ななければならないんだ…
どうして毎回毎回、バッドエンドにしかならないんだよ…
〜あとがき〜
エロゲーではよくある話。ギャルゲーでもよくある話。リアル人生では…
途中セーブもやり直しもできません、よく・瞬時に考えて決断しましょう。
僕はご主人様に、何度か旅行に連れて行ってもらうことがあった
いつもは僕を家に忘れがちなご主人様
そんな人だけれども、たまに行く旅行では綺麗な景色をたくさん見せてくれる
でも僕は忘れん坊だから、すぐにその景色も忘れてしまうんだ
ごめんなさい、ご主人様…
去年の夏ご主人様の彼女さんと行った軽井沢も、
お正月の朝に人ごみにもまれながら行った初詣も、
今年の四月にサークルの皆さんと行かれたお花見も…
ぜんぜん思い出せません、ごめんなさい、ごめんなさい…
…でも、ね
ご主人様がいけないんですよ?
ちゃんと僕を使う前に説明書を読みましたか?
こんなときのためにバックアップ取ってましたか?
僕が雨に濡れないようにちゃんと守ってくださいましたか?
残念ながら、ぼくはもうご主人様のお役に立つことができません
もうすぐ届くであろう、僕の弟と入れ替えで僕はお別れでしょう
聞くと弟は幾分水に強いそうなのですが、どうか大切にしてあげてください
これからはバックアップもちゃんとして、それから説明書も読んであげてくださいね
インターホンが鳴りました、もうこれで本当にお別れなんですね…
短い間でしたがお世話になりました
それと…SDカードとデータを壊してしまってごめんなさい
そして…最後に、
僕を使ってくれてありがとう、ご主人様
〜あとがき〜
デジカメ視点でお送りしました。生半可な知識で書きましたが、
雨に濡れての故障でSDカードが破損することはあるんでしょうかねぇ…?
あと、買い替えではなく修理をすれば…ともお思いでしょうが、
きっと修理代見積もりで持ち主は驚愕されたのかもしれませんw
一部の方はピンときたかと思いますが、これの元ネタはWindowsMeのアレですw
古今や洋の東西を問わず、人は等しく何かしらのオタクである
それはアニメや鉄道、切手に節約などと多岐にわたり、
スポーツの世界ならば「野球馬鹿」みたく馬鹿に変換してもよいだろう
しかしなかには「オタクなわけない、普通が取り柄だ」と言う人もいるかもしれない
そんなあなた、ちょっと冷静になって考え、鏡を見つめてほしい
流行りの服や物に飛びついてやいませんか?
何をしてもそつなくこなす、中庸な器用貧乏になってませんか?
自己アピールで困ったことはありませんか?
「普通」に固執するあなたは、傍から見ると立派な「普通オタク」「平凡オタク」だろう
〜あとがき〜
普通オタク・平凡オタクは日本の風土に合いすぎてると思うんだ。
多分そうでなかったら空気を読むことが難しいだろうし、そもそもそんな「空気読め」とかいう言葉が流行るわけがないだろう。
「あんたなんか、大っ嫌い!!」
彼女はそう言って、俺を思い切り抱きしめた
〜あとがき〜
さぁ、貴方はどんな物語をつくりましたか?
(この文章は、学科の教授が講義内で話されていた、とある例え話の一部です)
アリの群れが巣というひとつのグループを形成しているように
人間も国というひとつのグループを作って生活している
人間がアリの巣を見て考えるようなことを
とても大きな何か
あるいは誰かが地球の外から眺めている
そんな気がする
ふと
そんなことを考えながら窓を開けて夜空を見上げたら
白い吐息越しにオリオン座と目が合った
気がした
彼は誰だったんだろう
「本当に、こうするしかないのか?」
「あんただって分かってるでしょう、このままじゃあたしたちまで……」
「ああ、分かってるさ、分かってるとも……」
乱世に飢饉が重なり、口減らしの話がそこかしこで聞かれるようになった
生まれた子をその場で絞めたり、末の子を野山に置き去ったり…
待望の長兄であったが、今日明日の食糧にも困る状況ではやむを得なかった
「ほんとうにごめんよ…、良い方に拾われますようにね」
赤子から離した母親の手は悲しみで震えていた
子が川の流れに乗り、下のほうへと向かっていく
甲高い泣き声、徐々に遠ざかっていくその声に男の目からも大粒の涙があふれた
その下流、とあるおばあさんが川で洗濯物をしていた
そうしていると上のほうから先の赤子がどんぶらこ、どんぶらこ……
後は知ってのとおりである
お父さん指、
お母さん指、
お兄さん指、
お姉さん指、
赤ちゃん指
……あれ?わたしは、どこ?
―君は、かまってちゃんだね。ひどい人間だよ。
鏡越しにそう言われた。僕は鏡に向かって言った。
―たしかにそうだ。認めよう。
さらに鏡の向こうから問われた。
―勝手に感傷に浸って、楽しいのか。
僕はその棘に少し顔を歪めながら鏡にこう返した。
―悲しいからそうなる、楽しくなどない。
怪訝そうに顔を歪めて聞くなり、鏡の人は言った。
―そうかな、君は自分を悲劇の主人公にして楽しんでるじゃないか。
付き合いきれない、そう言って僕はトイレを出た。鏡の向こうで勢いよくドアのしまる音がした。
〜あとがき
鏡に映る自分に向かって「おまえは誰だ」と言うのを続けると気がどうにかなるらしいですね←
ただまぁ、つまり、今回はそういうことです、お分かりの通り。
15年前の僕には想像もできなかったろう。将来、僕が1人の女性を好きになるということに。
10年前の僕には考えられなかったろう。将来、僕には彼女と呼べる存在がいることに。
5年前の僕なら多分笑って否定しただろう。近い将来、僕は恋煩いをこじらせて病むことに。
そして、いつの僕なら理解してくれるだろう。自分を信じてくれてる彼女を自分が信じきれていなかったことに。
信じることをいつしか忘れてしまった僕を、彼女は見捨てずに思い出させてくれるだろうか。
次こそは。僕は、信じてみようと思う。
王国の技術と魔力を結集させ、ついに時間を黄金に換える懐中時計が生み出された
寿命を減らすことにより、その分だけ金がもたらされるのである
元々これは貧困に喘ぐ者への施策であったが、これにより王国は破滅への道を歩みだした
人々はこの懐中時計を使い、「短く太い人生」を送るようになってしまったのである
働かずとも金が手に入るため、食糧をはじめとした製品が市場に出回らなくなった
さらにはその市場すらも機能しなくなってしまい、人々は飢餓に喘ぐようになった
そこで王国は次に、時間を念じたものに換える懐中時計を作り上げた
食糧やあらゆる商品を、命の長さと引き換えに手に入れる究極の発明であった
しかしこの発明以降、王国は全く機能することはなかった
町人も兵士も王も、皆が短く太い人生のため懐中時計に寿命を捧げていった
なかには産んだ子供の寿命をまるまる金品に換えてしまう親まで現れた
しかしもう手遅れ、それを取り締まる人間など残っていなかったのである
そうして徐々に子供が居なくなり、人が途絶え、王国は砂に埋もれてしまったのである
「俺も、年をとったのかねぇ……」
そう言って彼はゆっくりと椅子に座った
少し自虐的に微笑んだ顔に夕日の影がかかる
過ぎたことへの諦めと、軽い絶望と、
少し大人になった彼は、昨日と違う涙を浮かべてもう一度微笑んでみせた
クレタ人が「クレタ人は皆うそつきだ」と言ったというたとえ話がある
これを仮に史実のこととして世界を映してみると、
高校までの「勉強」では、
「クレタ人は皆うそつきなんです」と先生が教えて次の単元に進む
大学や大学院の「研究」では、
「これを言っているのはクレタ人だから」と理論を何年もこね回す
一方「社会」では、おおむね以下のようになる
「クレタ人は信用できない」と反クレタ思想や差別が生まれる
「差別されるクレタ人を救おう」と謳う胡散臭い連中が出てくる
「先日誰某と誰某が結婚式を」などと報道では全く取り扱われない
どの世界が正しいかは明らかである
どの世界も、大なり小なり狂っている
ただ、私はこの狂った世界が、不思議と嫌いではない
「というわけで、伊達眼鏡を買ってみたんだ」
……なんでまた?
「どうだ、これで私の魅力も倍増、いや、ざっと10倍くらいに上がったろう」
話を聞け、……なんでもいいが、それ、幾らしたんだ?
「まぁ、ざっと20000円くらいかな。ちゃんとした眼鏡屋で仕立てたからな」
高ッ!なんで度も入ってない眼鏡がそんなにするんだよ!!
「仕方がないだろう、フレームだって高いんだぞ」
自分のバイト代で買ったからいいだろ、そう言って赤縁はリビングの扉を閉めた
……いいか妹よ、幾らを掛けてもゼロはゼロなんだぜ
そんなことを呟いたら扉を蹴破ったニーソックスが俺の顔面を踏みつけた
自分の眼鏡に危険を感じたので、そういうところを直せとは到底言えなかった
〜あとがき〜
まぁ、そもそも私は眼鏡をかけてませんし、妹もいませんが。
どちらかというと私は姉が欲しかったりするんですが、第1子に生まれた時点でどうしようもないので諦めてます。
両親も仲がいいので再婚で連れ子とかいうこともありそうにないですし。
つまりはあれか、姉さん女房をゲットすればいいってことか!俺ってば天才だな ←H
「というわけで、伊達眼鏡を買ってみたんだ」
…………
「……どうした?ぼーとしてないで何か気の効いたコメントでもだなぁ」
………………
「まぁ、気持ちも分からんでもない。どうだ、少しは可愛くなったろ?ん?」
……………………ぐはっ!
「おい、恭介?……恭介!しっかりしろ、おい、恭介!!」
気付いたら俺は鼻にティッシュを詰められた状態で律子に膝枕されていた
……この馬鹿が。これごときでぶっ倒れているようじゃ男失格だぞ
そんなことを呟きながら、律子は穏やかな笑顔で俺の髪を手で梳いている
母さん、当分孫は見せられそうにないです……まだ俺にはハードルが高すぎます
〜あとがき〜
SSS78の続きで、ついでにSS04のキャラを流用してみた。
キャラ流用はSSS78書いてるうちに口調がそれっぽくなってきたので、つい。
そういえば、律子という眼鏡キャラがいたような……まぁ、気のせいでしょう。
ローソン名誉店長とか、そんなアイドルはいなかったはずです。……あちゃー。
……今からでも、名前差し替えたほうがいいかなぁ。大丈夫かなぁ。
あと、「キョウスケ」も字違いでいたな。可愛いはずがない妹を持つ兄貴に。
最後に超蛇足ですが、私は生まれてこのかた鼻血を出したことがありません。
我々は、決して乗降者数の多くない地方駅のただただ長いホームにいた
ホームのはるか向こう、あまり高くない山の尾根線に日が沈もうとしている
朝から消耗戦を繰り広げてきた我々に、赤々と全てを染める夕陽が眩しい
寒風吹きすさぶ師走の夕方、我々は円になってじっと目を合わせていた
「よし、これがきっと最後だ。……さぁ、振れ!」
リーダーの号令が飛ぶ、皆が決意のまなざしで俺を見つめる
「分かった。……よし!振るぞ!!」
天高く舞う六面体の色は赤、夕陽に照らされなお赤々と燃えながら放物線を描く
「もう、ど〜にでも、な〜れ!!」
気合の掛け声は残念ながら聞き入れられ、俺は戦友から袋叩きに遭った
まだ、戦いは、終わっていない……
〜あとがき〜
と、未来の赤チームに死亡フラグをたてておく←
……自分が赤チームになるフラグでもありそうで恐いが。